株式会社NTTデータウェーブの明治産業株式会社様における導入事例のご紹介です。

概要
AIで未来を予測する経営をDatabricks導入で実現
明治産業株式会社様
1933年、我が国での自動車産業の黎明期に創業、自動車用補修部品の卸売で事業を拡大。現在は自動車部品および機械部品の国内販売及び輸出入のほか、 鉄道部品の輸出、輸入EVや産業用ドローンの販売など、事業の多角化を進める。
Solution
定型で出力される帳票から脱却、自在なデータ加工と利用が可能な環境へ

明治産業はこれまで、基幹系システムから売上げ、営業利益、在庫などの情報を受け取ったDWHがバッチ処理してBIツールに引き渡した、事前に設計された帳票として出力、事業計画や経営判断に役立てていた。しかし新規の帳票の追加は同社のシステム部もしくはベンダーによる設計が必要で小回りが利かないこと、非定型データは処理できないこと、さらにAIにネイティブ対応していないことが今後の課題として挙げられていた。
その課題の解決のため、基幹系システムの更改にあわせ既存のBIツールからDatabricksレイクハウスへの置き換えを決定。導入後は現場レベルでも既存の帳票にはとらわれない自由なデータの取り出しが可能となり、さらにDatabricksレイクハウスが持つAIの利用もあわせ、経営判断の迅速化と“未来の予測”を含めた経営の革新が期待されている。
ご担当者様インタビュー

Databricksでデータ活用を推進 将来的には経営判断の支援も期待

矢吹 俊一 氏
執行役員 システム部担当
1981年入社、長年にわたり社内システム全般の企画・構築・保守に携わる。
現在はITスペシャリストとして、オープン系システムへの移行プロジェクトを牽引する。
基幹系システムとBIとの連携で必要なデータを帳票出力
当社ではこれまで、基幹系システムにある売上げ、仕入れ、在庫などのデータを、月次の〆のタイミングでバッチ処理し、営業利益、前月との比較、前年同期との比較、在庫の推移など基本的な情報をBIツールで帳票として出力し、経営判断はもちろん、営業計画、在庫管理などに使っていました。
さらに経営層や営業、在庫管理の現場から「こういったデータがほしい」というリクエストがあれば、システム部が対応し、用意していました。これから将来もそういった形でデータを活用し、業務を進めていくのであれば、この仕組みそのものに大きな問題はなかったと言えるでしょう。
ただ、当社の今後を考える上では、やはり課題を感じるところがあったのも事実です。
現場からのリクエストに対応するシステム部のリソース不足という課題
まずひとつ目は、データの入口の部分です。基幹系システムには事業にかかわるあらゆるデータが入っています。しかしそれ以外にも、部署ごとのファイルサーバーや社員それぞれのPC、クラウドサービスなどにデータは分散して保管されています。こうしたデータにも経営判断に役立つ貴重なデータが含まれている可能性がありますが、現状のシステムではその把握が困難で、また動画や音声ファイルなどの非定型データは活用が不可能でした。
つぎに、データ活用にかかわるリソース不足や速度感です。営業部門も、在庫管理部門も、現在手に入るデータから何かの知見を得て、よりよい売上げや適正な在庫数を目指そうと頑張っています。そのために「こんなデータがほしい」とシステム部にリクエストすることもしばしばです。
しかし現状では、そうしたデータを用意するためにシステム部が工数をかける必要があり、時間や人的リソースの問題でリクエストに100%応えることができないままでいました。またリクエストを受けて作られたデータも、社員の手元に届くまでにタイムラグがあり、十分な活用ができない状態でした。
会社の将来を予測するためのデータ分析にAIの活用を
そして最後に、AIを使った臨機応変な事業展開や経営への対応です。わたしたちの手がける補修部品の卸し、海外輸出は、自動車の販売台数や保有台数、輸出台数などと大きな相関関係があります。ただ補修部品は自動車がある程度の年数使われ、交換の必要が生まれてから需要が伸びるという性質から、「どの部品がどのくらい売れるのか」は、なかなか予測しづらく、「適正な在庫数」を管理するのは大きな課題となっていました。
もし「在庫切れ」を起こすと、直接のお取引先である部品商、さらにはその先の自動車整備工場などに大きな迷惑をかけてしまうことになるため、これまではどうしても在庫数は“適正以上”になりがちでした。しかし多すぎる在庫は保管スペース、管理の手間も含め余分なコストとなり、業績を圧迫する要因となります。
しかしここにAIを導入し、人間の目では気づかなかった何か、また人間の能力では処理できなかった膨大なデータを読み解くことで、在庫量の適正化ができるのではないかと思ったのです。
基幹系システムの更改にあわせDatabricks導入を決定
当社の基幹系システムは、2027年度にこれまでの汎用機系からオープン系へ更改するプロジェクトが進んでいました。この更改に際し、BIツールはそのまま従来のものを継続し、つなぎ込むことも考えましたが、それでは先に挙げた非定型データの活用、社員のリクエストへの迅速な対応、AIの業務への導入という課題は解決できません。
そこでこのタイミングでBIツールもあわせて刷新することを決断したのです。
導入する具体的なソリューションについては、ほかにも候補はありました。しかし最終的にDatabricksに決めた理由は、あらゆるデータが取りこめる柔軟性、AIとの親和性、そして現場サイドが直接データを加工し取り出せる可用性です。
これまでのBIツールでは、先に申し上げたように、現場からのリクエストに、システム部が対応する必要があり、またBIツール単体では出力できないものについては、ほかのプログラムをつなぎ込んだり、あらたなパッチをあてる必要がありました。
しかしDatabricksでは、そうしたリクエストへの対応がシステム部の介在なしできるようになると想定しています。また現場が直接Databricksにデータをリクエストすることで、現場のリテラシーが上がり、より自分たちの創意工夫でAIを活用していけるのではないかと期待しています。
将来的には会議の場でのDatabricksのリアルタイム活用も
またこれは将来的な構想ですが、定期的に行われる重要な会議に、DatabricksのAIを活用できないかと思っています。そうした会議で使う資料は、現在事前に用意していますが、その場で別角度からの検討が必要になったり、ある営業拠点の分析結果をほかの営業拠点にあてはめたりしたいと思った場合、いったん持ち帰って事後の対応にならざるを得ませんでした。もしDatabricksが会議の場で使えれば、そうしたデータがすぐに取り出せ、経営方針の迅速化に役立つのではないかと考えているのです。
さらには、会議の場でDatabricksが判断の材料となるさまざまな提案をしてくれる、そんな未来も視野に入れています。
基幹系システムの更改、Databricksの導入完遂は2027年度となっています。当社の100周年、さらにそれから先に続く未来を見すえ、AIを採り入れた経営を力強く進めていきたいと思います。
現場でのデータの自在な活用を実現システム部の機能の変革も視野に

寺田 誠一 氏
システム部 部長
外資系ベンダー、国内大手ベンダーで営業や開発部門責任者を歴任したのち、2024年入社。
外資&国内双方で培った知見で、社内システム刷新、IT戦略策定を担当する。
基幹系システムの更改にあわせ“帳票文化”との決別を検討
当社の基幹系システムは汎用機をルーツとしており、取り込んだデータから、事業計画や経営判断に使う情報を週次や月次の帳票に出力するという思想で設計されていました。そして導入当初は、現場が必要とするのは結果であり、ITツールを使い分析するといったフローは想定されていませんでした。
しかし現在はだれもがExcelなどを使うことが当然となり、当社でもいったん出力された帳票の内容をあらためて入力し、業務に活かすという使い方が一般的になっています。しかしこうした業務フローは出力されたものを入力するという二度手間が発生します。そして出力された帳票はあくまで「過去のデータ」であり、そこから未来を予測するには人の手や経験値に頼らざるを得ない状況です。
今回、オープン系基幹システムへの更改にあわせ、Databricksの導入を検討した背景には、こうした“帳票文化”がはたしてこれからも必要かどうかという動機がありました。
システム更改と同時並行での導入で二重投資を回避
じつは当社では、社長が「生成AIの事業への活用」に深い興味を示し、今後の方向性として強く意識するよう、社内にも伝えていました。そこで今回の基幹系システム更改は、既存のBIツールを使った帳票文化から、将来を展望しAIにネイティブで対応するソリューションに置き換える、ちょうどいいタイミングではないかと考えました。
基幹系システムの更改はあらためて言うまでもなく、大がかりなものです。そのため、いったん基幹系システムだけを入れ替え、既存のBIツールはそのあらたなシステムとのつなぎ込みの改修にとどめ、基幹系システムの運用が落ち着いた段階でBIツールのリプレイスを行うという手法もあります。
これは一見、安全な進め方にも思えますが、その一方で、わずか2〜3年になるであろうリプレイスまでの期間に使うための改修にコストをかけるという、非効率な投資にもなります。そしてAIが想像以上の早さで進化し、さまざまなビジネスにつながっていく状況を鑑みるに、その2〜3年が致命的な遅れになる可能性も少なくありません。
また費用面での検討の結果、既存のBIツールの改修にかかる費用は思ったよりも多額で、それだけの投資をするならこのタイミングで同時に入れ替えたほうがいいと、最終的に判断しました。
業務に忙殺されるシステム部から新事業を支援できるシステム部に
さらに将来的なシステム部の位置付けも、BIツールを入れ替える、大きな動機となりました。
これまでシステム部には、営業部門、在庫管理部門などから、さまざまな要望が寄せられるのが常でした。そうした要望は、データの分析をもとにより売上げを伸ばしたい、また適正な在庫管理でコストを減らしつつCSを向上させたいという動機からのものであり、システム部もできるだけそうした要望に対応してきました。
しかしシステム部のリソースにも限りがあり、日々増える要望にすべて対応するのは困難でした。また個々の要望についても、システム部側で優先順位を付ける、取捨選択することは困難で、またその内容によってはいったんベンダーの開発に頼らなければならず、即座に応えらないことで悔しく思うこともしばしばでした。
さらにそうした要望への対応するための稼働は、また別の課題につながっていました。ビジネスをとりまくIT環境は日々進化を続けており、2年前、3年前に最先端であったものが陳腐化することは珍しくなく、場合によってはあらたな技術の登場でまったく見向きもされなくなるというケースもあります。そうした環境の変化にキャッチアップしていくには、IT部門のスタッフが業務の一環として学びを続けていく時間が必要です。
また当社は自動車部品の卸しと輸出に軸足を置いていますが、その一方で新規ビジネスの開発も、今後の成長を見込むなかで不可欠だと思っています。そうした新規ビジネスに取り組むにあたっては、やはりシステム部門も不可欠な戦力です。
つまり、現状のBIツールの利用を続け、社内の各現場からの要望にシステム部が対応する状況が続けば、あらたな技術を習得する時間、新規ビジネスにリソースを割く時間が削られ、事業の成長に大きな影響を及ぼす可能性が出てくると考えたのです。
AIが作り出すビジネスの新潮流に即応できる態勢を目指して
今回、導入を決めたDatabricksでは、従来のようにシステム部が帳票を作らなくても、さまざまなデータを必要に応じて取り出せる仕組みが用意されています。またこれまでの週次、月次の〆という概念にとらわれず、必要な時期のデータをリアルタイムで、かつそのデータが必要な現場のスタッフがシステム部の手を借りることなく確認できるようになるはずです。
将来的には、それぞれの現場の社員が、それぞれの目的に合わせたデータを自由に取り出し、加工して、業務に活用することが理想だと思っています。もちろんそれには現場のリテラシーの向上も不可欠ですが、システム部としては惜しみない支援を行うつもりでいます。
近年のAIの利活用の拡大は、インターネットが一般化し、生活とビジネスに使われるようになって以来のインパクトだとされています。そしてインターネットが5年以上というスパンでゆっくりと普及していったのに対し、AIはその数倍の速度感で浸透、拡大を続けています。
今回のDatabricksの導入で、現場でのAI活用とシステム部の技術向上の両立を図り、事業拡大に努めていきたいと思います。
製品・サービス
Databricks
Databricksはビッグデータ処理や機械学習モデルの開発、データの可視化など、さまざまなデータ関連のタスクを実践するクラウド型プラットフォームです。
クラウドインフラを自動管理し、皆様のビジネスデータを最大限に活用できます。
お客様情報
| お客様名 | 明治産業株式会社様 |
|---|---|
| 住所 | 〒100-0013 東京都千代田区霞が関三丁目7番4号 明産霞が関ビル |
| 資本金 | 1億円 |
| 従業員数 | 353名(2025年9月20日現在) |
| 事業概要 | 1933年、我が国での自動車産業の黎明期に創業、自動車用補修部品の卸売で事業を拡大。現在は自動車部品および機械部品の国内販売及び輸出入のほか、 鉄道部品の輸出、輸入EVや産業用ドローンの販売など、事業の多角化を進める。 |
| ウェブサイト | https://www.mesaco.co.jp/ |
